大德寺昭輝の部屋

無筆の出世

2025年4月10日

四月の歌舞伎に素晴らしい演目がかかった。「無筆の出世」と言う物語りである。講談から取った演目であるが。一人の旗本の家人が普段は穏やかな主人であるが,酒を飲むと人が変わり文字読めないことで、その主人によって命を取られるところを関わる人々に助けられ「自分がこのような災難にあったのは、無学であったから」と勉強をして見事に大出世をして行く。「このご恩をお返しいたします。」と申すと出会った方々は、「もし困っている方がいたら助けあげてください。それが私への恩返しだ。」恩を恩で返す。素晴らしい教えである。そして、最後に仇である元の主人に対して「仇を恩で返して。」主人を救う。素晴らしい心の世界であった。